
この写真は、以前にも載せたことがあります。写真の下の方に書かれていますが、米国の製鉄会社、USスチールの「USスチールタワー」という建物です。USスチールについては、日本の製鉄会社、日本製鉄が買収を目指しています。このブログでは、前回に続いて、この問題のその後について、書くことにします。そのほか、イスラエルのガザ攻撃について、英国のEU(欧州連合)との現在の関わりの状況について、書きたいと思います。
まず、日本製鉄(以下、日鉄と書く)のUSスチール買収の状況についてです。トランプ大統領(以下、トランプと書く)は、6月5日までに、買収に対しての可否を発表するとされていましたが、5月25日に、早くも意向を表明しました。27日の讀賣新聞、2面の記事によると、「投資であり、(日鉄の)部分的な所有となり、米国が支配する」(趣旨)ということです。そして、「米国が支配する」のであれば、「取引をする」と語り、彼ら(日鉄)は、「数十億ドルを投資する予定だ」と続けました。
日鉄では、その後、米国政府に対して、同社の「黄金株(おうごんかぶ)」を付与するという方針を考えているようです(29日の日本経済新聞2面による。以下、参考にもします。)。黄金株とは、「少数の持ち分でも、重要事項に対して、拒否権を行使できることになる株」ということです。ですから、日鉄としては、米国政府に対して、買収を納得させるために、そうした考えを表明しているのでしょう。ただし、黄金株を、米国政府に付与することは、日鉄と米国政府とが、「運命共同体」というべきものになることであり、信頼関係は高まるでしょうが、反面、「拘束力」も強まることになります。買収後、日鉄の事業がうまく行かなくなり、撤退することになった場合などは、超巨額の「違約金」などを取られることになるでしょう。
それは、考え過ぎとしても、トランプは、「米国に数十億ドルの投資金が入り、7万人もの雇用が生まれる」と語るなど、まさに米国本位の受け取り方をしています。また、「米国政府が、取締役の過半数を米国人にしたり、生産量や従業員数を決めたりすることもありうる」とか、「日鉄の株主等にすれば、巨額投資の割りには、成果リターンが少ないということになる」とか、懸念の声が挙がっています。
つまり、日鉄の「買収」が成功するにしても、以後の米国内の事業には、大きな、しかも数々の懸念、不安が伴うことになります。事業がうまく行くかどうかは、勿論、現段階では、何とも言えませんが、米国政府は、事業の行方がどうであろうと、損をすることはありませんし、日鉄にとったら、うまく行かない場合は、それこそ、身ぐるみはがされて、日本に戻ることになります。私は、前回のブログで、米国に進出した「株式会社東芝」の大失敗について書きましたが、日鉄の現在の状況は、進出前の東芝と比べても、さらに困難なものであるという気がしています。私などの考えは、日鉄には伝わらないと思いますが、「日鉄は、米国進出を直ちに中止するべきである」と言っておきます。日鉄が失敗しても、日本国は、滅びませんが、大きな痛手になることは、間違いありません。何年後かに、後悔することは、まず確かでしょう。その時では、「後の祭り」です。
次は、イスラエルによるガザへの空爆、地上軍の無差別攻撃等について書きます。27日の讀賣新聞の社説を参考にさせてもらいます。私は、あまりにも悲惨な出来事については、目を背けるだけで、考えるのを止めたくなります。まして、何か書くことは、苦痛になります。しかし、なぜ、イスラエル政府、イスラエル軍、イスラエル人は、ガザ攻撃を続けるのでしょうか。被害者には、ハマスの兵士もいるでしょうが、死者や負傷者は、兵士ではなく、一般の大人たちや子供たちです。何の非難されるべき理由もない人々が、ハマスと一緒にされて、殺され、負傷させられているのです。
讀賣の社説にも書かれているように、ガザ攻撃の理由としては、23年10月の、ハマスによるイスラエル攻撃が挙げられます。1200人くらいの死者、250人くらいの拉致被害者が出ました。ガザ攻撃は、その事件への報復として、始まりました。しかし、ハマスの攻撃への憎しみのせいとは言え、報復、反撃には、あまりにも限度がなさすぎると言わなければなりません。イスラエル軍の空爆、地上攻撃にしても、ハマスが見えるところを狙っているわけではありません。だいたい、いるであろうという場所を、空爆、攻撃しているのです。ですから、一般の人々も巻き込まれ、多数が殺され、負傷させられているのです。パレスチナ人の死者は、53000人を超えているというのです。報復にしても、限度を超えています。あまりにも、です。ネタニヤフ首相や政府要人、軍人なども、ハマスを壊滅させる気でいるのでしょう。いわゆる皆殺しを狙っているわけです。こんな報復は、ありません。平気で実行するイスラエル人は、私からすれば、恐ろしい、悪魔を超えた、残虐な者たちという気がします。
ナチスに虐殺されたユダヤの人々のことを思うと、ユダヤの人々に同情してきました。しかし、ガザの攻撃を知ると、そんな同情もなくなります。米国などでは、今でも、イスラエルを支持する人がかなりいるようですが、それでも、イスラエルを批判する人も増えています。また、欧州においても、英国、フランス、そしてドイツなどでも、イスラエル批判の声が高まっています。イスラエルは、直ちに空爆、地上攻撃を止めるべきです。人間であり、少しは、良心があるのならば、すぐに止めるべきです。米国政府なども、イスラエルへの援助は、直ちに止めるべきです。また、国連なども、もう少し有効なイスラエル対策を行ってほしいものです。
米国のトランプ大統領などは、米国内の諸大学に対して、「反ユダヤ主義の活動が見られる」として、学生の検挙、退学、などを迫ったり、国からの補助金のカットを行ったりしていますが、世界の現状の中で、「反ユダヤ主義」などと言う批判は、あたらないばかりか、イスラエルのガザ攻撃を支援するようなものです。米国内には、政界、財界等に、ユダヤ系の人物が多いのは事実ですが、トランプの主張などは、非難の対象でしかありません。
最後は、EUを離脱した英国は、現在は、EUとはどんな関わり方をしているのかということについてです。簡単に書くつもりでしたが、Wikipediaとか、日本経済新聞の5月21日、28日の関連記事とか読むと、かなりたいへんな問題だという気がしました。それでも、なるべく簡単に書いてみようと思います。まず、EU(欧州連合)についてです。EUは、現在の加盟国が、27カ国です。EUは、経済的、政治的協力関係を持つ民主主義国家の集まりと言えます。そして、EU内のどの国に住む人も、別のどの国に行って、住もうと自由なのです。
そして、英国は、欧州とは離れた島国ですが、最近までEUに加盟していました。英国は、かなりの経済大国とも言え、GDPでは、世界で5番目になっていた時もありました。従って、自分の住んでいる国が、あまり豊かではないとすると、英国に行って暮らそうとする人も増えていったようです。また、英国では、企業などによっては、米国や日本など、EU以外の国とも貿易をしたいという考えもありました。しかし、英国単独では決められず、EUの決定に従うことになるのです。こうして、英国民にとっては、移民の増加、貿易問題等々から、EUに留まるか、離脱するかが大きな問題となっていったのです。とうとう、離脱か残留かを決める国民投票が行われることになりました。2016年6月24日です。結果は、離脱が51.89%、残留が48.11%でした。僅かの差ですが、離脱が決まり、2020年1月31日に、英国は、EUから離脱しました。移行期間もあって、2020年12月31日で、完全に離脱しました。
離脱した時は、英国の政権党は、保守党でした。現在は、労働党が、政権党になっています。大雑把に言うと、保守党は離脱派、労働党は残留派という傾向もあったようです。EUを離脱したといっても、その後も、英国の輸出入の約46%は、対EUだったそうです。英国に対して、EUは、関税は、0%にしていたそうですが、 通関や動植物検疫が復活し、書類の記入等がたいへんになったそうです。しかし、最近の英国のスターマー首相、EUのフォンデアライエン欧州委員長らの首脳会議で、英国とEUとの煩雑な手続きが、大幅に緩和されることになったそうです。28日の日経の記事のコメンテーターのガネシュ氏は、「英国は、EUから離脱しているが、していないともいえる」と書いています。
英国としては、政権党が代わったからと言って、「EUに戻りたい」とも言えないでしょうし、EU外の英国が、EU加盟国並みの扱いを受け続けると、EUの他の国からは、批判が出るかも知れません。
外国で国内よりもうまくいくことは少ない何事であれ
トランプに搾り取られることになるやめとく方が間違いないよ
重いもの大きなものを造るのはそれだけリスク高まるものさ
イスラエル短歌に詠むの難しい人間離れした人種だし
ハマスらを滅ぼしたってイスラには天の報いが降りかかるはず
組織から脱退したらそれ以後は頼らないもの通常ならば
脱退はまずかったかなごめんねと言って再び入れてもらえば
< 読者の皆様へ >
多くの皆様に読んでいただいております。本当にありがとうございます。多くの国の、多くの方々から、いろいろな言語で、ご感想などを寄せていただいております。私は、英語なら、ほぼ理解できますし、フランス語なら少しは(でも、フランス語のメールはまずなし)。他の言語については、Xサーバーの翻訳で、読んでいます。ただ、ご感想等の数も多く、なかなか読み切れません。まして、返信までは、なかなかできない現状で、申しわけなく思っております。でも、忙しくない週などは、なるべく返信もするように心がけたいと思います。その場合、英語ですと、時間を要することになってしまうので、日本語の返信にさせていただきたいと思います。各国の言語になるはずですので、各国で、読んでいただけると思います。よろしくお願いいたします。
筆者 ginnohoshi