24日に行われた「一般教書演説」でのトランプ大統領です。彼の左手の所に、透明な長方形が見られますが、写真そのものに写っているものです。写真は、ヤフーの記事からの借用です。よろしくお願いします。

 今回は、トランプ大統領の「一般教書演説」等、日本の高市首相のカタログギフト等の2点について、書いてみたいと思います。以下、敬称等は、なるべく略します。

 まず、一般教書演説等についてです。米国では、大統領には、議会への出席は、議会の許可を得た時のみ可能になっています。大統領が、議会の招待の下で、両院議員に対して、教書(message)を口頭で演説することが、一般教書演説とされています(Wikipediaによる)。大統領は、国の現状について見解を述べ、主要な政治課題を説明することになっています。

 今回の演説は、約1時間47分かかり、歴代、最長になったそうです。26日の読売新聞が、8面で、演説の要旨をかなり詳しく掲載しています。トランプは、インフレ、関税、減税、雇用、移民対策、西半球等々、多くの問題について、言及しています。私は、インフレから雇用の4点、移民、西半球の2点について、書いてみたいと思います。

 まず4点についてです。トランプは、これまで、世界中の多くの国々が、米国に近づき、そして頼り、多くの財産を「搾取」してきたと決めつけました。二度めの大統領になった頃だったでしょうか。そして、米国が、多くの国々の諸製品の輸出先になっていることに目を付け、「関税」を思いついたのです。自分の国への輸入品に関税をかけてやるなどとは、普通は、特に現代の大統領、首相、独裁者等々でも、思いつかないことでしょう。その関税を、トランプが、持ち出したのです。

 関税は、かつては、国内でも、物品の移動に対して、かけられていた国があったそうですが、現在では、あるとしても、対外関税になっているそうです。トランプは、誰かから聞いたのかも知れませんが、関税は、輸出する国が払うものだと思ってしまったようです。例えば、日本の車が米国に輸出される時は、日本の会社が、1台につき、いくらかの関税を払うのだと考えたのでしょうか。日本側が払うのであれば、米国では、苦しむ人はいないはずです。ところが、車にしても、他の何かにしても、米国が輸入する場合は、90%ほどは、米国内の輸入業者が、米国の担当機関に関税を払うことになります。そうすると、輸入業者は、関税分だけ、または多少のプラスマイナスをつけて、輸入品の値段を高くするわけです。そうすると、関税にあたる金額は、購入する人、つまり米国の消費者が払うことになります。トランプが、関税で、数千億ドルが米国に入ってきたと言っていますが、ほとんどは、米国人が払っていることになるのです。米国内のカネの増減は、ほとんどないことになります。

 トランプは、インフレはない、雇用は増えているなどと言っていますが、米国では、物価が高騰し、雇用さえも、安定していないようです。さらに、チップ等への税は、課されませんが、オバマケアと言われた保険医療などが廃止され、病気やケガの際も、医師に診てもらえない(診察料を払えない)人々も増えているというのです。減税と言っても、一部にとどまっています。トランプは、実態を見ないで、あるいは、意図的に見ないで、米国の経済は、「黄金時代だ」などと言っているのではないでしょうか。

 また、移民、西半球についても、トランプの「政策」には、あきれるばかりです。不法移民の入国は、最近の9カ月間で、0であったというのは、ともかくとして、特に民主党系の強い州や市に、移民捜査官等を多数行かせ、不法の滞在者、移民を摘発させてきました。移民捜査官などと言っても、軍人かまたは暴力団のような恰好をして、「摘発」に当たらせます。そして、女性、男性が、1名ずつ、殺されました。どちらの死者も、それこそ、不当な殺人に近い殺され方でした。捜査官たちは、覆面をしていますから、「殺人」であっても、誰がやったか分からない状態なのです。また、「西半球」の問題では、南北いずれの国であっても、ベネズエラへの侵攻のように、何かあれば、米軍が襲いかかるぞという脅しになっています。社会主義国としてよく知られるキューバさえ、侵攻しかねないというのですから、それこそ、ロシア、中国等も、座視はしないのではないかと思われるほどです。

 ともかく、米国の多くの方々も、トランプを2度も大統領にしたのは、間違いだったと、今頃は、思っているのではないでしょうか。 

 次は、日本の高市首相のカタログギフト配布等の問題についてです。高市首相は、自民党内の総裁選挙(2025年9月)の際は、推薦人20人を集めるのにも苦労していたようですが、よく総裁になれたなという気がします。しかし、26日の朝日新聞の社説を読んで思ったのですが、高市は、「際立った集金力を誇る」そうで、24年の総裁選では、「8千万円以上の資金を投入した」そうです(その際は、総裁にはなれませんでした)。ですから、25年の総裁選でも、おそらく多額の資金を投入したことでしょう。資金を提供されれば、その人物に投票する者も、増えるはずです。

 まあ、それは、私の「推測」なので、このくらいにしておき、総裁、首相になった高市のその後の問題を3点、挙げておきます。「存立危機事態」の国会答弁、NHKによる党首討論の欠席、衆議院の独断解散の3点です。これだけの問題を起こしながら、衆議院選挙においては、自民党が圧勝したのです。「私が首相でよいかどうか、国民に諮る」という高市の「問いかけ」に、多くの国民は、イエスで、応えたのです。首相は、女優や歌手、ましてアイドルではありません。日本という国を背負う人物なのです。「見てくれ」で選ぶものではありません。まあ、そうは言っても、投票する各人は、自分の自由な判断で選ぶわけですから、私も、「選び方が悪い国民が多い」とは、言いません。

 しかし、国会が始まったばかりですが、高市は、早くも大きな問題を起こしています。年度内に来年度予算案の成立を目指すこと、衆院選の自民党当選者315人(高市本人を除く)におよそ3万円のカタログギフトを配布したこと、消費税関係の「国民会議」に、招かない政党があったことの3点です。

 まず1点目は、来年度予算案を、今年度中に決めたいとしていることについてです。これは、高市自身が、急に国会を解散し、衆院選を決めたことが、年度内の成立を難しくしたのに、その本人が、「年度内に成立させたい」と主張しているわけで、まさにご都合主義です。来年度の予算案については、十分に期間、時間を確保し、慎重に審議することが求められています。しかし、高市は、「まだ間に合う」からと考え、与党の質問時間を減らしたり、また野党にも、質問等を減らしてもらったりすれば、年度内成立が可能と考えているのです。言わば、問題を起こした本人が、問題をなかったことにしようとしているわけです。この「図々しさ」は、自民党が、衆院選で圧勝したからのようですが、高市の「厚顔さ」のためとも言えるでしょう。

 2点目は、315人に、3万円程度のカタログギフトを配布したことです。高市は、法令には違反しない、と語っていますが、国民を代表する存在の首相が、漏らす言葉では、ないでしょう。何かの事件の犯人が、法令には、違反していないだろうと語るのとは、わけが違います。確かに、高市が代表となる奈良第2選挙区支部の金銭を使っての「配布」ですから、「支部からの国会議員への寄付は認められる」わけで、違法とは言えないかも知れません。しかし、多くの新聞等で、様々な記事が書かれていますが、支部には、「法定の交付金」も、自民党から配布されるので、支部への献金か、法定の交付金かの区別は、つかなくなるはずです。また、高市が、いくら首相であっても、支部内で、勝手に「315人分のカタログギフトを配布する」と決めることも、できないはずです。朝日新聞の記事では、3万×315=945万ではなく、1千万円を超える額になるようですが、あきれた「金権体質」を示していることになります。当選した自民党の議員には、毎月、国庫からの手当等が十分に支給されるわけです。また、これだけの問題になる3万円ほどのカタログギフトをもらっても、喜ぶ議員は、少ないことでしょう。まさに、高市の「常識外れの配慮」が、さらされた事態だと言うしかありません。高市は、国会において、カタログギフトについて、問われると、「私には、昭和の中小企業のおやじ社長のようなところがあるのだろう」と語ったそうですが、そういう社長でも、自分のカネで、ギフトを買っているでしょう。献金だか法定の交付金だか分からないような「支部のカネ」を、勝手にカタログギフトに使う高市の言いわけにはなりません。 

 3点目は、消費税関係の「国民会議」についてです。国会に議席を得ている党や議員に対して、会議に呼ばない党や議員があることについては、信じられない思いです。高市内閣の「程度」を疑う事態です。政権党が言う「国民会議」が、国会に議席のある党に対して、差別的な対応をしているわけで、あきれるしかありません。例え、消費税廃止を主張している党であれ、会議に招いて、意見を聞けばいいでしょう。「国民」とつけているわけですから、なるべく多くの党や議員を参加させるべきです。(もっとも、衆院選で大勝したから、「国民会議」は、自民党にとって、必要ではなくなったわけで、参政党や共産党を招かないのは、そのせいのはずです。「国民会議は、廃止」にしたいのでしょうが、そうもいかないので、一応、云々しているだけなのでしょう。)自民党の動きを見て、中道改革連合や国民民主党は、国民会議に参加しませんでしたが、両党には、消費税ゼロが実現できなくなった時、「野党のせい」にされる心配があったと言うのです。政権党の自民党や日本維新の会は、もう少し信頼される党でなければなりません。同じ国会議員から、信頼されないのでは、多くの国民も、政権党を信頼できなくなるはずです。

 与党の自民党、日本維新の会と、野党のチームみらいが、参加しただけの「国民会議」では、国民ではなく、「選民会議」でしかありません。

 戦後の様々な首相について、考えてみると、必ずしも、「首相にふさわしい人」ばかりでは、ありませんでした。これは、政権党の中から、「支持が多い人」が選ばれるので、人格、政治力、外交力等々が十分ではない人も、首相になってきたわけです。ですから、様々な首相がいるのは当然なのです。しかし、首相になった以上は、精いっぱいの努力をして、国民のためになる政治を行ってほしいものです。

 黄金の時代なんぞはあり得ないましてトランプ言う資格なし

 トランプが選んだ判事も法令にない権限は認められない

 関税に頼るばかりのトランプは政治やるのは無理というもの

 誰であれ何党であれ選ぶのは自由だけれど結果も見てよ

 支部のカネ首相の名入りで使うのはあまりにせこいやり方だよね

 人気あるうちはいいけど誰だってやがて見切られ去って行くのさ 

 毎日新聞掲載拙詠

 配所にて暮らす気もする犬連れて田の道行けば夕べ涼しも

 (2012.8.27)