ヤフーで、ホワイトハウスと入れた時に、出て来る写真の1枚です。利用させてください。11月5日の大統領選挙で、勝利したトランプ氏(以下、すべての人物の敬称を略します)は、来年の1月20日に、就任式を行うようです。以後は、ホワイトハウスに住むことになるでしょう。

 米国内の選挙であり、米国民によって選ばれたわけですから、他国の人々があれこれ言っても、思っても、どうにもならないのですが、やはり、今になってみると、困ったことになったなあと、私なども思ってしまいます。勿論、ハリスが、勝利していたとしても、いくつかの不安は生じたと思いますが、やはりトランプ勝利と言う結果の方が、遥かに「困ったこと」になる気がしています。

 ところで、今回は、トランプ当選後の世界と、日本の政治状況の2点について書きますが、「トランプ当選後」の方は、前回のブログの内容と重なる点があることを、お断りしておきます。

 早速、トランプ当選後について書き始めます。やはり、輸入品への関税のことになります。13日の讀賣新聞2面の「トランプ復権」と題した記事を参考に(引用も)させてもらいます。その記事によると、トランプは、「辞書の中で、最も美しい言葉は、『 関税 』だ」と、うそぶいているそうです。「好き」と言うのなら、まだしも、「美しい」と言うのでは、「何を言っているんだ」と言い返したくなります。トランプは、「高い関税をかけ、安価な輸入品を追い出すことが、国内製造業の保護や強化につながると信じて疑わない」のだそうです。しかし、米国製品がないものについては、消費者は、輸入品を買わざるを得ないわけです。そして、製造業で使う自動車部品、レアアース(希土類)等は、輸入に頼らざるを得ないそうです。そして、「引き上げられた関税分は、国内での販売価格に転嫁され、米国の消費者が支払うことになる」というのです。さらに、米国が関税を上げた相手国が、報復関税に踏み切れば、国際貿易が減少し、さらに世界全体の国内総生産も減少することになるというのです。(ただし、国際貿易の減少や世界全体の生産の減少については、対米国関連だけの数値の減少ですから、割合の数値としては、さほど大きくはなりません。当然のことですが。)

 トランプにとっては、「最も美しい関税」が、米国内でも、相手国にも、そして世界にとっても、いいことはないだろうということになります。トランプが就任前なので、関税等について意見をいう側近もまだ決まっていないせいもあって、トランプの「ひとり舞台」になってしまっています。そもそも、トランプが「美しい」などと言うのも、現在の米国の製造品で、IT関連を除けば、海外で買われるようなものは、極めて少なくなっている状態だからです。日本などでも、米国製品と言うと、何が売られているかなあと考えてみるようです。ロシアと同様に、ほぼ天然資源だけを輸出しているという現状でしょうか。(米国には、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者が、溢れるほどいます。そういう経済学者たちも、トランプには、助言どころか、近寄らないようにしているのでしょう。)

 次は、内政、外交についてですが、前回のブログに私が書いた、ウクライナ、ガザの2点の問題は、全くの幻想であったのかも知れません。ウクライナも、ガザも、トランプの姿勢によって、よい方向に向かうのではないかと、私は、思ったのですが、2点とも、そうはいかないようなのです。まず、ウクライナについてですが、単純に考えても、トランプが何か言ったからと言って、プーチンも、すぐに侵攻を止めはしないでしょう。むしろ、トランプが(米国が)NATOを脱退したり、ウクライナへの武器、資金等の支援を止めたりするほうが心配になります。勿論、米国以外のNATOの国々は、支援を続けるでしょうが、武器、資金等は、かなり減少することになります。ウクライナが、ロシアに反撃することができなくなるかという心配さえ起こります。

 また、トランプは、新政権の国連大使として、ステファニク下院議員を充てると発表したそうです。同議員は、親イスラエルの姿勢で知られ、イスラエルに批判的な国連に対して、米国からの資金の見直しを主張した人物だそうです。このことに見られるように、トランプ新政権が、バイデン政権以上にイスラエル寄りになるかも知れません。

 また、バイデン政権では、中国からの侵攻について、台湾を守るとしていましたが、トランプ政権になると、台湾の防衛は、米国にとって、関係のないことだということになるかもしれません。そうなれば、中国は、武力を行使しての台湾進攻に踏み切るかも知れません。ロシアからの侵攻の脅威を抱えるバルト三国等に対しても、トランプは、守ろうという姿勢など全くないでしょう。トランプは、米国等の援助にすがりたい国々に対しても、「米国に援助を求めるが、一方では、豊かなに暮らしをしていて、ずるい」というように、他国を見がちであり、助けようなどとは考えないのです。(勿論、大国等の他国に、自国の安全を守ってもらうという考え自体が、その国の安全、防衛の上で、「だらしがない」ということにもなりますが、現在の世界の武力面から考えれば、大国頼りもやむを得ないことになります。)

 長くなりますので、トランプの任命する人事については、詳しくは触れませんが、「忠誠心」を主として、トランプ寄りの人物を選ぶことになりました。イーロン・マスクなど、トランプの選挙のために1億ドルも出した富豪や、全くの門外漢のような人物も選んでいます。おまけに、上院、下院とも、共和党が多数派となり、トランプの「独断人事」が、そのまま通ってしまうことになりそうです。トランプ次期大統領の下では、様々な問題が世界中に降りかかってくることになるでしょうが、それは、遠慮なく言えば、米国の人々の選択のせいということになります。トランプは、78歳と高齢なので、途中で、辞任などと言うこともあるかも知れませんが、もし、そんなことがあっても、副大統領が、とって代わることになるだけでしょう。

 次は、日本の国政の状況についてです。衆議院議員選挙の前には、政権党の自民党(公明は、除く)には、裏金等、不利な問題がたくさんありましたが、私は、自民党が、あれほどの議席を減らすとは思いませんでした。それだけ、自民党の裏金議員に対しての国民の反発が強かったのだろうと思います。ただ、それにしても、自公政権が、これだけの打撃を受けたということは、日本の社会の変化も反映しているのかと思います。

 現在は、欧州の国々でも、多党化が進む傾向があり、長年、政権に就いて来た政党への支持に陰りが出てきて、政権交代の起こる国がいくつも出てきています。そうした国の中では、政治や経済、日常生活にも変化が生まれ、困難な問題も増えていることでしょうが、反面、「従来」が見直され、新しい政治へ、新しい社会へと変わって行くことにもなると思います。

 日本の社会でも、そのような変化の兆しが出ているのかも知れません。戦後も、保守的な政治がほとんどずっと続いてきましたが、今回のように、与党の自公が過半数を割り、野党が、数の上では、多数になったという現象も、日本社会そのもののためには、様々な見直し、変化が起こり、国民本位の政治が行われるきっかけになるのではないかと思われます。国民民主党が、主張するような「103万円の壁」なども、税金、社会保険料等の現状を見直すよいきっかけになるのではないかと思われます。

(追記)私は、11月2日公開のブログでは、次のような短歌を載せました。

   玉木氏よ今はたっぷりはしゃいだらそのうちみんなそっぽ向くから

    私は、政治的な面から、玉木氏や国民民主党を皮肉ったつもりですが、まさか党首の

  「不倫」が、問題になるとは思いませんでした。国会議員など政治家は、日常生活なども見られて   

   います。まして、国政政党の党首ともあろう人物が、若い女性と「不倫」などしていては、叩か

   れるのも当然のことと言えます。

  米国の大統領が女性ではまずいと君も思っていたのか

  民主党あんな男に負けるとは党改革も人選も要

  独裁者ふうのトランプ国民が選んでいれば世話はないよね

  捨てきれぬほどのカネ持つイーロンがトランプ利用国を乗っ取る

  バカ殿が忠誠誓う側近で固めた藩はやがて廃藩(日本史の話)

  自民党結果的には党首選石破選んで正解かもね

  党内の野党出身石破には今もそれなりやりがいあるさ