
犬の散歩で、よく出かける、少し離れたところの水田の写真です(7月9日撮影)。今回は、水田に関係のある話題から始めたいと思います。9日の日本経済新聞(以下、日経と書く)の2面には、「米のニ期作」についての記事がありました。そこで、初めは、米の二期作について、書いてみたいと思います。次は、トランプの関税問題について、最後は、日本の政党の「多党化現象」について、書きたいと思います。
まず、米の二期作についてです。日本の国内では、高齢化、低価格(生産者から見て)、等々から、米の生産をする農家(農民)が減ってきています。上の写真の田の周辺でも、休耕の田が増え、雑草が茂っているところがかなり見られるようになってきました。今では、米作り(以下、稲作と書く)は、ほとんどの作業が、機械によるようになり、作業が、かつてに比べれば、かなり楽になってきたと言えます。ただし、トラクターなどの機械が非常に高額になり、農家では、稲作を行っても、「採算がとれない」ようになってきました。田起こし、田うない、田植えなど、稲作の様々な作業が、できるような構造のトラクターなどで、高いものは、1台で、1600万円くらいするそうです。まあ、1000万円くらいのものや、もっと安いものがあるにしても、ともかく、高額な機械を買って、0.5ヘクタール(50m×100m) くらいの水田での稲作では、採算がとれないのは、当然のことになります。また、機械を買わないで、機械を持っている農家に作業を依頼するとしても、かなりの金額を出さなければ、引き受けてくれる人もいません。ですから、私などからみたら、農家の人は、よく稲作を続けているな、よく田圃(たんぼ)の手入れをしているなと感心するくらいです。
さて、前置きが長くなりましたが、上記のように、稲作の農家が減って来ると、農業法人とか、大規模農家では、米の増産を考えるようになり、二期作が、考慮されるようになります。ニ期作とは、普通のケースとしては、1回目の米の収穫(稲刈り)が終わった後で、1回目と同じように、田起こし、田植えなどを行い、もう一度、収穫を行うことです。温暖化が進む傾向もあり、気候面からみると、二期作は、十分可能となっているようです。ただ、この二期作では、法人等だとしても、従来の作業の二倍の作業となり、たいへんなことになります。日経の記事では、石垣島での例が紹介されています。それに対して、再生二期作という方法もあります。これは、稲刈りをした後、残っている稲の下部、根をそのままにして、それを二期目の稲として、生長させる方法です。埼玉県あたりでも、稲刈り後の田には、また稲が伸びてきます。この稲は、ひこばえ、ひつち(古語)などと呼ばれ、短歌や俳句などで、よく詠(よ)まれてきました。ただ、上の写真をもう一度見ていただくと分かりますが、一期目では、稲の一株、一株が「すごく繁っている」と言えますが、二期目では、これだけの勢いにはなりません。温暖化、肥料の追加等を考えても、二期目はあくまでも二期目であり、一期目のような稲の勢いは、期待できません。ただ、日経では、この再生二期作の例が、JAつくば(茨城県筑西市)の実践として紹介されていますので、私が考えるよりは、「実用化」されているのかも知れません。それにしても、再生二期作は、作業は、少し楽になりますが、普通のニ期作と比べると、収穫量は少なくなると思います。
次は、またも、トランプですが、彼の「関税問題』について書きます。トランプは、7日、日本に対して、8月1日から、25%の関税を課すと通告しました。レビット大統領補佐官が、石破首相への書簡を掲げることによっての通告でした(勿論、後刻、首相にも、何らかの方法により、届くのでしょうが)。
その通告の際だったか、別の際だったか、トランプは、「関税が、次々と米国に入る。かつてないほど、入って来るのだ。」などと語っていました。まさに、誇らしげでした。
トランプは、今までの米国において、一会計年度の歳入内で、関税収入がどのくらいであったか、知っているのでしょうか。近年では、ほぼ2%くらいであったとされています。ですから、トランプが、関税、関税と叫んだとしても、今年度であれ、来年度であれ、2%を大きく超えることなどはあり得ないはずです。彼は、最近の減税法案の成立により、減収となる不足分を、関税で入る収入で賄うというようなことを語っていますが、それも、あり得ないことです。共和党員の側近たちは、トランプの「勘違い」について、何も言わないのでしょうか。いくら、「怖い大統領」であっても、勘違いは勘違いと、言わなければならないはずです。
以下、トランプの関税策についての4つの疑問点を挙げ、順番に検討していきたいと思います。
1.例えば、関税率25%の外国車が、従来通りに売れるか
2.米国政府に、各国からの関税率による歳入が次々と入るか
3. 米国の種々の製造業が、従来のように、復活するか
4. 最近、成立した米国の減税法のための減収分が、関税によって、かなりの部分、補填されるか
まず、1の問題です。関税の25%のアップ分は、米国の輸入業者が負担するとします。例えば、300万円である車を輸入するとすると、輸入業者は、米国の担当機関に75万円払うことになります。車は、300万プラス75万で、375万円。業者の販売手数料等を50万とすると、車は、425万円で販売するようになります。米国の購買者は、関税の分だけ、高くなった車を買うことになります。カネに困っていない人は、買うでしょうが、あまり余裕のない人は、買わないかも知れません。すると、輸入業者も、車の輸出先に、返品したくなりますし、さらには、もうその車は売れないから、扱わないと考えるかも知れません。輸出する製造会社も困りますが、米国内の輸入業者、購買希望者も困ります。結局、トランプが、すべての関係者から、恨まれることになります。車の売れ行きは、悪くなります。(14日 追記 車の製造会社が、関税分か、それに近い額を下げて、輸出を目指すことも考えられますが、それでは、製造会社は、利益が出なくなってしまうでしょう。)
2の問題です。米国への輸出業者は、米国の輸入業者から、売れないから、納品しないでくれと言われるでしょう。そうすると、関税は、米国の担当機関に入りません。日用品などで、もともと低価格の物は、関税がかかっても、米国内で売れるでしょうから、輸入はさほど減らないかもしれませんが、関税額は、少ないことになります。米国に、次々と、高額の関税分が入って来ることは、考えられません。
3の問題です。トランプは、例えば、日本車であっても、米国内で生産し、販売するのであれば、関税はかけないと言っています。ですから、外国の何らかの製品の製造会社でも、米国に進出する場合もあるでしょう。しかし、大金をかけ、しかも3、4年もの年月をかけて(土地の入手、工場の建設等)、米国へ進出する会社など、まず、ないことでしょう。日本の「日本製鉄」の米国進出などは、まさに例外です。外国の会社の進出がないと、米国内では、いわゆる大型機械、住宅、電化製品、鉄鋼関係、非鉄金属関係等々の製造業の復活などは、ないでしょう。また、日用品の製造に取組もうとする企業などは、現れないでしょう。中国には、かなわないと。ただ、核関係、戦闘機等の関係企業の技術は、優れているのではないですか(皮肉を込めて)。
4の問題です。1から3の検討で分かるよう、補填など、されません。米国では、ユダヤ系の人物を筆頭に、高所得層がのさばり、低所得層を苦しめていることになります。最近の「減税法案」にしても、成立した今では、高所得層の優遇、低所得層の冷遇がはっきりしてきました。
トランプは、何でも、自分が取り組めば、うまく行くと思っているようですが、米国内においても、また、世界においても、彼が関わると、まずいいことはないでしょう。トランプは、今でも、毎週のように、約20億円もかかると言われるマイアミ帰り、ゴルフ生活を続けているのでしょうか。米国民は、まず、トランプの週ごとのマイアミ帰りをやめさせるべきです。ゴルフがしたいなら、ワシントン市内でやれというべきです。
最後は、日本において、国政に関わろうとする政党が増えてきたこと、つまり多党化が進んできたことについてです。私は、国民にとっては、選択肢が増えたことになり、既成政党に不満を感じていた人などにとっては、投票しようという気にもなれるでしょうし、いいことではあると思います。ただ、政権を取れそうもない政党であっても、とにかく国会議員になれそうならいいというような動機で、ある政党に加わり、国会議員の選挙に出るような人に対しては、あまりいい感じはしません(勿論、政治思想の面からの「多党化」もあるでしょうから、その場合は、立候補も、批判はできません)。やはり、立候補するからには、国会議員になって、こんな政治をしたいというビジョンを持った人であってほしいものです。国会議員になったら、所属の政党内でも、また国会内でも、自分の考えや政治的信念に基づいて活動する人であってほしいと思います。かつては、と言っても、戦後に限りますが、多くの国において、資本主義的な立場からの政治家・政党と、共産主義・社会主義的な立場からの政治家・政党とが対立する傾向が見られました。しかし、現実の政治においては、長い期間の経過に伴い、資本主義、共産主義について、どちらがいいなどとも言えないようになってきました。現在では、民主主義国家と権威主義国家という分類なども行われるようになってきました。また、ポピュリズム(注1 参照)という考え、傾向なども現れ、ポピュリスト政党と言われる政党なども増えてきています。
私は、勿論、他の人の侮辱、差別的な言動などは、制限されるのは当然としても、国民ひとりひとりが何か発言したり、行動したりしても、他から非難されたり、逮捕されたりしないような国であってほしいと思います。そういう点からは、現在の日本は、なかなかいい国だと思っています。特に、多党化現象によって、政権党への批判等も増えてきていますし、現在の自民党、公明党にしても、努力、工夫等をしないと政権の座も危ないというような状況は、両党のためにもいいことだと思っています。また立憲民主党、国民民主党、日本維新の会、共産党なども、連立を組めば、政権党になれるかも知れないという状況にあることもよいことと思います。最近は、れいわ新選組、参政党なども、かなりの支持を得られるようになってきています。ただ、米国のトランプに倣ってか、排外的な主張を強める政党が出てきたことは、憂慮しなければならないと、私は思っています。
まあ、いずれの党のいわゆる首脳部、一般党員であっても、国会議員になるような人には、世界の舞台にも立てるよう、政治力、深い知識・教養、人間性などの備わることが必要だと思います。また、あきれられるような発言、行動等もない人でなければなりません。また、選挙では、落選することもあるので、党からの生活保障があったり、自分自身でも、ある程度の財力があったりする人であってほしいとも思います。日々の生活に、経済的な不安がある人では、選挙への立候補も難しいからです。
注1 ポピュリズム 自分たちの関心・懸念がエリート層に無視されていると考える一般市民に
訴求しようと努める政治的なアプローチ。 (オックスフォード英語辞典)
二カ月で収穫できる米なんてまだないけれど作れないのか
農家ではなくも容器を工夫して米作ってみて苦労分かるよ
低所得層を巧みに引き付けて当選すれば振り落とすだけ
ラスベルを救う気なんて初めからありはしないさ太った老人
関税を「美しい」とも思うはず今でも誤解するトランプは
岸田とか石破とかならこの我も嫌いではない安倍よりいいよ
日本でも外国人を叩くよう言い始めたが選挙の手法