
上の写真は、英国の国会議事堂となっている、ウェストミンスター宮殿です。ヤフーの写真を利用させてもらいます。よろしくお願いします。今週は、英国の現在の政治状勢、ウクライナとロシアの戦争の現状、日本のレアアース対策の3点について、書いてみたいと思います。以下、敬称は、略します。
初めは、英国の現在の政治状勢についてです。英国では、20世紀後半から近年まで、主に保守党、労働党の2党が、政権を争ってきました。保守党は、王政復古期のトーリー党に起源をもつ保守政党です。労働党は、社会民主主義を掲げる中道左派政党です。英国は、かつて「大英帝国」と言われ、世界中に多くの植民地を抱えていました。帝国と言われていたくらいの国ですから、保守党、労働党と言っても、資本主義対社会主義というほどの対立は、なかったし、今でもない国と言えるようです。
現在の政治について触れる前に、英国のEU(欧州連合)脱退について、書いておきたいと思います。EUは、加盟国の平和、民主主義、法の支配、経済発展、環境保護の維持、発展などを目指す組織です。経済面では、EU域内が、単一市場のようになります。域内では、人、物、サービス、資本は、自由に移動する(させる)ことができます。つまり、EU市民であれば、どの国においても、居住し、働き、学び、余生を送ることができるとされています。
英国は、1973年にEUに加盟しました。そして、2004年には、旧共産圏だった東欧10カ国が加わり、加盟国は28に増えました。それからは、英国内に来る人々が次第に増えてきました。そして、そうした人々は、英国人よりも、低賃金で働くというケースが多くなりました。その結果、現実的には、英国人の仕事が奪われるようにもなっていきました。また、英国にずっと住み続けるという人も増えたのです。
また、英国においては、EUの拠出金が高すぎるという批判も出されました。(注 2010年と、古いのですが、その頃は、各国の拠出金は、国民総所得の1.23%を上限とする、となっていました。)こうしたことから、国民の中には、EUに入っていてもいいことはない、脱退したほうがよいという考えが高まってきました。そして、国民投票が実施されることになりました。投票では、「脱退する」が約52%、「脱退しない」が約48%となりました。少差ではありましたが、脱退することになりました。そして、2020年1月31日に、英国はEUを脱退したのです(必要な移行措置は、とられているそうです)。
離脱した結果は、どうなったでしょうか。確かに、英国には、EUの加盟国の人は、自由には、来られなくなりました。英国人の職が奪われることもなくなったでしょう。しかし、経済面では、目立った成長もなく、停滞しているとされるようです。
2010年5月から続いて来た保守党政権は、2024年7月3日に終わりました。キア・スターマー率いる労働党が、定数650名の下院で、411議席を獲得したのです。圧倒的な勝利でした。
スターマー党首は、おだやかな人のようで、人気もあったようです。しばらくは、労働党政権は、順調に進んでいました。しかし、就任2か月後、スターマーは、高級スーツなど、約1900万円ほどとなる贈与を、ある支持者から受けていたのです。彼は、もらったものは、議会に報告していると語りましたが、報告されていないものもあったようです。これに対して、物価高にあえぐ国民からは、不満の声が挙がったそうです。また、スターマーは、財政健全化のためとして、年金受給者への冬季暖房費補助を減額しようとしたこと、米国の「性犯罪」を疑われたエプスタインと親しかった人物を米大使に任命したこと、それらも強く批判されるようになりました。こうして、労働党への信頼も、次第に薄れていきました。今年の5月に行われたイングランド地方のいわゆる「地方選挙」においては、労働党は、約2500議席あったのに、約1400議席を失いました。私も、詳しいことは、分かりませんが、地方選には、初めて候補者を出したのでしょうか、ゼロから登場した「リフォームUK(英国改革党)」が、約1450議席を得ています(保守党、自民党、緑の党なども候補者を出し、それぞれ約800、850、600くらいの議席を得ています)。ですから、言えることは、政権党である労働党は、大敗したということです。スターマーは、この結果を受けて、首相、党首を辞任することになりました。労働党内で、新党首、新首相が決まるまで、スターマーが留任するそうです。)
次の国政選挙においては、リフォームUKが、第1党になるかも知れないと言われているようです。
いずれにしても、英国においては、工業、商業、農業等、諸産業の面から見ても、世界的に知られた製品などは少なく、まして、西欧のEUを脱退し、言わば「孤立状態」で、進んで行くのは、たいへんなことだろうと思われます。孤立を避けるためか、太平洋沿岸の国々との経済連携も図っています。
次は、ウクライナとロシアとの戦闘について、書くことにします。最近のヤフーニュースなどを見ると、ウクライナが、ドローンによる攻撃を強め、ロシアを、かなり苦しめているようです。ロシアの首都であるモスクワでも、多くのドローン攻勢により、多くの被害が出ているようです。また、今では、ロシアの領土になってしまったかのような、クリミア半島についての報道を見ると、ウクライナの攻撃により、ロシア本土と繋がる橋も、破壊されようとしているし、製油所なども破壊されて、ガソリンなども使えなくなってきているようです。ロシア系の住民も、不安に陥っているようです。そうしたこともあってか、ロシアが、もう少しで、ウクライナに降伏するかのようにとれるニュースも見られるようになってきました。
私は、こんなことを書くつもりでいましたが、たまたま、you tube で、アゼルバイジャンの男性が、日本人の女性の司会者に応えているものを目にしました。ウクライナ状勢ということで、私が、あれこれと you tube を見ていた時だったでしょうか。その男性は、日本語で語っていましたから、日本に住んでいる人かも知れません。
聞いていると、ロシア寄りの人なのかなとも思いました。その人の発言をいくつか、書いてみます。「ロシアが、負けてきていると言われるけれど、あくまで、ウクライナの国土上でのことで、ロシアの国土上でではない。だから、負けそうなわけではない。ロシアは、占領地についても少しも減らしていない。」さらに、「ロシア軍の死者は、50万人にもなると言われる。しかし、ロシアは、どの戦争においても、死者が何人出ようと、降伏することはない。あくまで戦い抜いている。」と、言います。
そう言われてみると、確かにそうかもしれません。ナポレオンの軍隊に対しても、スターリングラードのドイツ軍に対しても、あまたの犠牲者を出しながらも、徹底的に戦い、完全に勝利しています。ロシア(ソ連時も含めて)が、降伏したのは、日露戦争くらいのものでしょうか。
確かに、国際法を無視して、ウクライナに軍隊を侵攻させたプーチンは、絶対に降伏はしないかも知れません。降伏するとなれば、どれだけの賠償金を要求されるか分かりません。また、侵攻当初から、いざとなれば、核兵器を使用することもあるとも言っていました。核兵器さえ、使用しようとするかも知れないのです。全く、恐ろしいものだと思います。ウクライナにしても、支援を続ける様々な国も、楽観することはできないと覚悟することが必要かも知れません。
最後は、日本のレアアース対策についてです。レアアースとは、31鉱種あるレアメタルの中の1鉱種であり、17ある元素の総称です。17もの元素があるのです。25日、 26日の毎日新聞によると、 日系大手の重電メーカーの現地法人の社員2名が、5月18日と25日に、中国当局に拘束されたそうです。2名は、レアアース関連製品を日本へ持ち出そうとしたために、拘束されたようです。社員は、勿論、会社からの指示で、持ち出そうとしたのでしょう。業務の一環としての行動でしょう。しかし、拘束された2名は、今後、中国の裁判を受けることになるでしょう。どんな刑罰を受けるか、まだ分かりませんが、3年程度の拘禁刑とされるかも知れません。中国は、日本の会社、政府等が、寛大な処置をなどと訴えても、聞く耳は持ちません。あくまで、中国の法に基づき、刑を科すとするはずです。刑を受ける社員にしたら、たまったものではありません。会社等は、重大な責任を負うことになります。社員の今後を、保障しなければなりません。
会社や社員が、このような「危険な行為」をしなければならないのは、「レアアース」を確保するためです。中国は、日本へのレアアースの「輸出」を厳格にする一方です。それは、昨年の秋、「台湾の有事は、日本の存立危機事態となる」とした、高市首相の国会答弁への報復としての処置です。首相は、あくまで、答弁を撤回したり、中国に謝罪したりしませんが、レアアースを必要とする企業には、「深刻な事態」となります。中国は、今後はさらに、日本へ売るレアアースの量を減らしていくでしょう。日本の多くの企業が受ける痛手を考えると、高市首相は、「自分の面子」にこだわることをやめ、答弁すなわち発言を撤回し、中国に謝罪するべきではないでしょうか。まさに、日本の産業が危機に瀕しているのです。
レアアースを他国から輸入すればいいだろうという考えは、成り立ちません。中国ほどのレアアースを売れる国は、ありません。また、高市首相が、「日本は、今後、レアアースには困らない」と語った南鳥島沖の深海の底にあるレアアースは、いつ使えるようになるか、分からないものです。日本の本土から約1800km離れ、しかも、約6000mの深海の地層内にあるレアアースなど、あてにはできません。お美しい女性の首相が、日本を華やいだ国にと、努力されているのでしょうが、レアアースも、「存立危機事態」のひとつのようです。
EUに不満な点があってもね英国やめることはなかった
党首はね贈与受けてはいけません自分のカネで何でも買えよ
自国兵いくら死んでも戦いを強いるロシアは悪い「伝統」
確かにねウクライナには降伏は何があろうとしないなプーチン
深海の地層に金が大量にあれば別だがレアアースでは
確かではないのにずっと困らないなんて言うなよタカイチ女史よ
毎日新聞掲載拙詠
これまでのすべてのことは幻という気さえして夕日見つめる
(2016.5.9)